未完成の橋
2017年01月04日
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わたしの物語にいつも出てくる
未完成のまま放置された
空にかかる大きな橋

ある日
よぼよぼの老婆が
山のような荷物をかかえ
よろめきながら
橋をわたっていた

ある日
真っ黒なポルシェが
窓から紙切れを撒きながら
目にもとまらぬ速さで
橋をわたっていた

ある日
集団登校の児童たちが
リコーダーで蛍の光を吹き
顔をしわくちゃにして
橋をわたっていた

ある日
ホームレスのおじさんが
小銭を空へぶん投げて
ふてくされながら
橋をわたっていた

わたしはいつも遠くから
だまって橋を見つめている

みんなどこへ行くのだろう

考えているうちに
空の色は今日も
いつのまにか
もどかしい色に染まっている