スポンサーサイト
--年--月--日
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
白い。限りなく白い。
2016年09月22日
真夜中、僕は喉が渇いて目が覚めたので、台所に行って冷蔵庫を開けて、
昨日買った雪印牛乳のパックを開封し、腰に手を当てグビグビと飲んでいた。

牛乳パックの中でなにやらパシャパシャと音がしたので、
なんだろうかと恐る恐る中を覗いてみると、小人の爺さんが溺れていた。

爺さんは真っ青な顔で、口をパクパクさせて叫んでいた。
「地球が明日滅びる!」
耳を澄まさないと聞こえないくらいの小さなな叫び声だったが、確かにそう聞こえた。

この時僕は地球が滅びるなんて、そんな大それたことはどうでもよいと感じていた。
牛乳パックの中で謎の爺さんが浮いてるという奇天烈なこと自体、もうこの際どうでもよかった。

僕は何故かしら牛乳の白色に瞳を奪われていた。
混じりっけのない白色。覚めない夢のような純白。
爺さんが暴れてパシャパシャ跳ねる、その真白さだけをただ見つめていた。


白い。限りなく白い。


僕が好きな人に思いきりビンタされてる日だって、
僕が借金取りのお兄さんに思いきり殴られてる日だって、
この牛乳は真白な色をしている。
いつの日も平穏な白い色で、冷蔵庫の片隅にひっそり佇んでいる。

世界がどんなにどす黒く汚れようと、牛乳はいつだって白い。
誰の手に渡ろうと牛乳はいつだって白い。真っ白なんだ。

僕もこの牛乳のように真っ白な存在でありたい。
何色にも染まらない真っさらな心をいつまでも持ち続けていたい。
パックの中で波打つ牛乳を見つめたまま、僕は強く願った。


時計の針が12時丁度をさした。


その瞬間、爺さんの身体が大爆発して、空から隕石が次から次へと落ちてきて、
家も全部爆発して、地球がこなごなに粉砕されてみんな死んだ。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。