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古い観覧車
2014年11月14日
観覧車がまわっていた
あかしろきいろが楽しそうにまわっていた
君が乗りたいっていうから
僕らは観覧車乗り場にやってきた

500円札を2枚つまんで受付に渡した
目の前にあかいゴンドラがやってきた
僕は錆びついた取っ手をひねって
カビくさいゴンドラの中に乗り込んだ

ゴンドラが少しずつ昇っていく
鈍い金属音を出しながらよろよろと昇っていく
君は少し淡泊な表情を浮かべてたけれど
僕は知らない振りをして外の景色を眺めていた

寒い冬の夕暮れ時だった
空は朱と青が混じった色をしていた
遠いふたつの山脈が初心な恋人みたいに並んでるのを眺めながら
僕は手元の空になったメローイエローに口をつけていた

突然すごい音がした
ひとつ手前のカップルが乗ったゴンドラが風に煽られて
腐食した金具が千切れて墜落した
耳がおかしくなる音を立てて粉々に墜落した

アスファルトに散らばる残骸
僕らは叫ぶでもなく驚くでもなく
墜落したそれをただぼんやり眺めていた
そして僕は思った

あんなふうに死ねたなら

僕らもあんなふうに死ねたなら
ふたり一瞬で死ねたなら
きっと幸せなんだろうなって思った
すごくすごく思った

このまま観覧車が壊れて
ふたり閉じ込められてしまえばいいのに
そしてすべて朽ち果てて
ふたり残骸の中死んでしまえばいいのに

ああ
僕はいつから駄目になってしまったんだろう
僕らふたりはどこでおかしくなってしまったんだろう

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