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切符
2016年12月29日
kippu.jpg

夢の中で
ふるさと行きの切符をもらった

目がさめたら列車に向かおうと
左手で大事に握っていたのに

目がさめると見つからない
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遊苑地
2016年12月11日
merry.jpg

相変わらずメリーゴーランドは
無人のまま永遠にまわっている

雨の日とか晴れの日とか関係なく
毎日ひたすらまわり狂っている

モノクロの少女たちが列をなして
空っぽのメリーゴーランドを眺めている

無表情でまわる白馬の群れを
もう尋常じゃないくらい血走った目で眺めてる

赤黒い目玉が一斉にまばたきした瞬間
白馬の首がスパァンと切り落とされて

少女たちの足元へ転がり落ちる

その時だけファンシーな音楽が流れる
心躍る耽美なメロディがどろっとたれ流されて

少女たちは素敵と呟いて涙を浮かべる

いつのまにか白馬の首は再生されて
足元に転がっていた首は消滅している

何事もなかったかのように
メリーゴーランドはくるくるまわっている

ヒステリックな金切声をたてて
メリーゴーランドはくるくるまわっている

少女たちの願いはそれなりに溶け始めて
あたたかいアイスクリームのように漂っている

添加物で無理やり味付けされた願いが
やるせない形にとけて漂っている

メリーゴーランドはまわっている
誰を乗せることもなく永遠にまわっている
排気口から声
2016年12月07日
haikikou.jpg

エレベーターに乗り込んで
「閉」のボタンを押そうとした時だった

天井の排気口から声がした
「未来と過去、行きたい方のボタンを押しなさい」

正面のボタンに目をやると
「開」のボタンが「未来」に
「閉」のボタンが「過去」に変化していた

「過去」が元々「閉」だったことを考えると
こちらを押すのは本能的に望ましくないと感じ
すかさず「未来」のボタンを押す

「過去があるから今のお前がいるんじゃないのか馬鹿野郎」
排気口に怒鳴られた

どうやら「過去」の方を押して欲しかったようだ
しかし何故怒鳴られなければならないのか
まるで「過去」を押すのが当然というような口ぶりだ

ならば最初から選択肢など与えなければよいのだ
苛立ちを覚え「未来」のボタンを連打する

「ちょっと待て!落ち着け!」
「駄目!そんなに押したら過去がしわくちゃになる!」

排気口が悲鳴をあげている
構うものか
怒りにまかせて連打し続ける

プツンッという切断音が響き
同時にエレベーターが動き始めた

どうやらエレベーターは
「未来」に向かって発進したようだ

排気口は普段の排気口に戻り
ごおごおと空気を入れ替える音だけ立てている

...この選択は果たして正解だったのだろうか

とっさに「未来」を押したけれど
そもそもエレベーターに乗り込んだ時は
「閉」を押そうとしていたのであって
つまり本来は「過去」を押すべきだったのではないだろうか

期待と不安が半分ずつ
心の中でコトコト混ざりあう

しかし想像を煮詰めたところで仕方がない
すでにエレベーターは発進している

この先を考えると途方もないが
引き返すには遅すぎる
立ち止まることはできない

「過去」が「未来」をつくり
「未来」が「過去」をつくる

結論を天秤にかけるのは無益に等しい

チンッという音がなり
エレベーターがとまった

いま扉が開かれる
不思議の国へ
2016年12月04日
言い訳ばかりの女の子
パパもママもお気のどく

口をひらけば昨日も今日も
心が不安定

じぶん勝手な女の子
パパもママも白髪ふえる

もう大人なのに昨日も今日も
心がからっぽ

かわいそうな女の子
恋人なんて出来っこない

かわいそうな女の子
ろくに男に愛されたことがない

なにも知らない
なにひとつ学べない

人を傷つけていることに気づけない
人の心がわからない

パパもママもため息まじり
見て見ぬふりする女の子

あたりまえに並べられたディナーを
あたりまえにただ食べるだけ

好きな音楽を好きなだけ聴いて
好きなようにただ暮らすだけ

ただそれだけ

追伸、卵の形したおじさんへ
あなたがもしこの世にいらっしゃるなら

どうか彼女を不思議の国へ
連れて行ってあげてくださいませんか

そしてずっと幸せに暮らしていけるように
物語のなかにとじこめて

パンプキンをご馳走してあげてくださいませんか

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