スポンサーサイト
--年--月--日
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
算数の時間
2016年09月29日
suujipaneru.jpg

僕らは小学3年生
産業廃棄物のような3年生
今日も算数の時間が始まる
ゴミ焼却のような時間が始まる

上級生が窓からおはじきを投げてくる
さんすうセットに入ってるおはじき
僕らはそれをうまくかわしながら
桃色のおはじきが何個あるのか数える

おはじきには小型のカプセルが仕掛けられていて
当たると中からおはじき色のペンキが弾け飛ぶ
飛び散るペンキと悲鳴が渦巻くなか
僕らは桃色のおはじきを数える

キンコンカンコンとチャイムが鳴り
算数の時間が終わる
桃色のおはじきはいくつありましたか
先生が満面の笑みで問いかける

それぞれが答えを出し合う
僕は顔がペンキまみれでよく見えませんでしたと正直に答える
君たち全身ペンキまみれでほんと汚ないですね
先生は答えになってない答えを満面の笑みで答える

キンコンカンコンとチャイムが鳴り
次の授業が始まる
次もまた算数の時間
ていうかずっと算数の時間

おまえらも偉くなりたきゃ今我慢しろ
上級生が満面の笑みでおはじきを投げる
3年生はもっと真面目に授業を受けましょうね
先生が満面の笑みで仁王立ちしている

そんな毎日

今日も夕陽が暮れてゆく
でもあの夕陽はいつも汚い色してるんだ
いつも顔がいろんな色のペンキにまみれているから
僕は綺麗な夕陽を見たことがないんだ
スポンサーサイト
白い。限りなく白い。
2016年09月22日
真夜中、僕は喉が渇いて目が覚めたので、台所に行って冷蔵庫を開けて、
昨日買った雪印牛乳のパックを開封し、腰に手を当てグビグビと飲んでいた。

牛乳パックの中でなにやらパシャパシャと音がしたので、
なんだろうかと恐る恐る中を覗いてみると、小人の爺さんが溺れていた。

爺さんは真っ青な顔で、口をパクパクさせて叫んでいた。
「地球が明日滅びる!」
耳を澄まさないと聞こえないくらいの小さなな叫び声だったが、確かにそう聞こえた。

この時僕は地球が滅びるなんて、そんな大それたことはどうでもよいと感じていた。
牛乳パックの中で謎の爺さんが浮いてるという奇天烈なこと自体、もうこの際どうでもよかった。

僕は何故かしら牛乳の白色に瞳を奪われていた。
混じりっけのない白色。覚めない夢のような純白。
爺さんが暴れてパシャパシャ跳ねる、その真白さだけをただ見つめていた。


白い。限りなく白い。


僕が好きな人に思いきりビンタされてる日だって、
僕が借金取りのお兄さんに思いきり殴られてる日だって、
この牛乳は真白な色をしている。
いつの日も平穏な白い色で、冷蔵庫の片隅にひっそり佇んでいる。

世界がどんなにどす黒く汚れようと、牛乳はいつだって白い。
誰の手に渡ろうと牛乳はいつだって白い。真っ白なんだ。

僕もこの牛乳のように真っ白な存在でありたい。
何色にも染まらない真っさらな心をいつまでも持ち続けていたい。
パックの中で波打つ牛乳を見つめたまま、僕は強く願った。


時計の針が12時丁度をさした。


その瞬間、爺さんの身体が大爆発して、空から隕石が次から次へと落ちてきて、
家も全部爆発して、地球がこなごなに粉砕されてみんな死んだ。
16月の更地
2016年09月18日
fencecat.jpg

納得できない当たり前の常識が
頭の中でアップデートされていて
それを抵抗むなしく呆然と眺めてる

必要不可欠な哀しみの感情が
頭の中でかくれんぼしていて
誤作動を起こして強制終了している

脳みその要らない部屋の中で
無限に広がる青空が次から次へと
朝から晩までスライドショーされている

この世の終わりみたいな顔した君が
フェンスの向こうで硬直して
太陽に奪われていく始まりの世界
ものすごい光
2016年09月14日
君はものすごい光に包まれた
なんの前触れもなく
突然ものすごい勢いで輝き始めた
まるで新世界の幕開けを告げるかのように
ものすごい光が君の身体から放たれていた

君はものすごい光に包まれた
眩しすぎてなにも見えない程の光だった
心を浄化する神々しい程の光だった
僕はうっすら浮かぶ君のシルエットを
目を細めて確認するのが精一杯だった

君はものすごい光に包まれた
この世のなによりも眩しい光だった
君が光と同化して消えていく様子に
僕は両手で両目を押さえて
ただ立ち尽くすことしかできなかった

君はものすごい光に包まれた
僕は涙がとまらなかった
君がものすごい光に包まれたから
哀しすぎて涙がとまらなかった
眩しすぎて涙がとまらなかった

君はものすごい光に包まれた
真っ暗で何もないところで暮らしたい
君がそう呟いたのを僕は覚えてる
なのに君はものすごい光に包まれた
僕の気も知らず勝手に光に包まれた

君はものすごい光に包まれた
はにかみながら君は消えた
ものすごい光の中に君は消えた
僕は消えなかったけど君は消えた
ものすごい光に包まれたから君は消えた
薔薇
2016年09月10日
bara.jpg

有刺鉄線の向こう側で
薔薇が咲き乱れていた
トタン部屋には生け花
紅くしなやかな薔薇が揺れる

まるで美術作品
いつも油まみれの工場が
今日は薔薇の博覧会会場

生け花教室の先生が
色とりどりの作品をつくっている
妖艶な手つきで
薔薇薔薇にこねくり回している

「君も一緒に花を生けてみる?」
傷だらけの顔で僕に微笑みかける

「僕は見てるほうが好きなので」
僕も先生に微笑み返す

部屋中に溢れるフローラルな絶叫
あらゆる煩悩を塗りつぶす色彩
僕の荒れ果てた心も
一瞬にして薔薇の紅が着色された
首絞めあんちゃん
2016年09月04日
tettou.jpg

首絞めあんちゃん
どうして苦しいことするの
くりっとした目で
どうして笑って首絞めるの

首絞めあんちゃん
どうして駄菓子屋で暴れるの
満面の笑みを浮かべながら
どうしてうまい棒を握り潰すの

首絞めあんちゃん
太陽が知らんぷりをしているよ
僕らと確かに目が合ったのに
まるでなにも見てない顔してるよ

首絞めあんちゃん
猛暑の空が凍りついてしまったよ
酸素不足の街のはじっこで
僕ら取り残されてしまったよ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。