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酸性雨
2016年03月29日
sanseiu3.jpg

深刻そうな顔した空
薄くぼやけながら
降り注いでいる
懐かしいまでに生暖かく

ぽかんとあけた口に
入り込む
べっこう飴に似た
さみしい甘み

それは
あまりにも遅すぎた
取り返しのつかない
さみしい甘み

もうこのまま
消えてしまえれば
なにもないあの頃に
戻ってしまえれば

いくど叫んでみても
ざらついた音だけが残り

錆びついた階段
踏み抜いて
転落してしまった
その瞬間の
そのゆるやかさだけが

降り注いでいる
波紋に映し出されていた
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アリス
2016年03月20日
mayakan.jpg

アリスと廃墟で遊んだ
けれど全然面白くなくて

この廃墟は築何年なのかとか
いつから廃墟なんだろうかとか
そんなことばかり考えていた

僕とアリスのふたりきり
ただやみくもに
さびしい階段を下りたり上がったり

アリスはつまらない
いつも手を繋ごうとしてくる
すごく鬱陶しいから
ばちんと叩いて振りほどく

静かな空間
僕らの足音以外なにもきこえない

なにか隠されてるような
無理やり揉み消されたような
不鮮明な無音

だんだん夕日が沈んでいって
だんだん寒くなりだして
だんだん怖いと思うようになった

僕はアリスの手を握ってみた
はっと振り向くアリスの目は青色

なんだか少しズレた青色
澄みきった青空に
不純物が混じったような青色
開かずの間
2016年03月13日
akazunoma.jpg

先生はいつも家に屋根裏部屋があるふりをしていて
どうしよう雨漏りだと慌てふためいて
今日の空模様が今ひとつであることを
哀しみに満ち溢れた顔で大袈裟に伝えてくる

まったくどうしようもない
こんな時代だから仕方ないですよと
腕組んで話す校長は校長で
家に地下室があるふりをしているから
学校は全クラス今日も元気に学級崩壊

白塗りの壁に円周率がびっしり書かれた教室で
山積みの漢字ドリルを処理していく私たち
首という字を首首首首と繰り返し書く
放課後のチャイムが鳴ってハッと顔をあげたら
教壇で先生が首を括っていた

大人は信用できない
だから私たちは家に開かずの間があるふりをして過ごす
うちの襖からは手首が出てくるだとか
うちの畳は腐って虫が湧いてるだとか
怯えながら慰めあいながら過ごすけれど

どうしてだろう
そんなことしたくて学校に来てるんじゃないのに
どうしてだろう
そんな大人たちを見てうんざりしてきたはずなのに
イレイザーヘッド
2016年03月06日
君のその変色した合成樹脂みたいな脳みそから
濁ってる記憶だけを取り出して
映写機に装填してレトロ上映会を開きたい

僕があの頃の君に惚れていたかどうかなんて
そんなどうでもいいくだらないことは
君の想像にお任せします

僕らの記憶は不燃化物質
プラスチックみたいな燃えないゴミ
処分場所をたらい回しにされて
さまよい続けている無様な記憶

可哀想な振りをしてる君は
誰もいない上映室にしゃがみ込んで
泣きじゃくって可哀想な振りしてる
悲劇のヒロインの振りしてる

知らない振りをしてる僕は
泣きじゃくる君に気づかれないように
適度な間隔を開けて知らない振りしてる
なにも解らない振りしてる

ふたり共依存の真似事をして
ふたり狂依存のお芝居をして
三半規管が吹き飛んでエンドロール

あらすじなんて申し訳程度のおまけみたいなもので
鉛筆の頭についている消しゴムのような存在
少し力を入れただけで千切れる存在
気付いた頃には廃棄処分です

消してしまいたい現実だけが
如何してか消しゴムのカスのように残り続る
増えて積み重なれば
たちまち吹き飛んで意識不明の繰り返し

明日はプラスチック不燃ゴミの日
後始末が終わったら
さよならしましょう見送りますから

僕が君のことを嫌いになったかどうかなんて
そんなどうでもいいくだらないことは
君の想像にお任せします

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